1ドル=160円を超えてきた「米ドル/円」。このまま、次の大台「170円」にも届くのでは?という声も少なくありません。


しかし7月11日、日本の通貨当局は「もうできない」と思われていたこの局面での3度目の米ドル売り介入を行った。さらに政治家からは、円安是正のための日銀利上げを要請する声が上がった。こうした中で、米ドル高・円安は161円で一段落となり、徐々に米ドル安・円高へ戻る動きとなっていった。そして7月31日、日銀が追加利上げを決定し、植田日銀総裁がさらなる利上げの可能性も示唆すると、米ドル/円はついに150円割れとなった。


止まらなくなった円安に対して、メディアは日本の凋落の結果なのだと嘆き、そして為替市場では160円は通過点に過ぎず、170円や180円の円安予想も当たり前のように語られるようになった。一般の人たちの関心は、この円安が一体あと何年続き、日本経済はどうなってしまうのかということで、円安終了への期待はほぼ消えたようになってしまった。

金利差円劣位の縮小といっても、日米10年債利回り差円劣位が3%以上もの大幅な中では円売りに圧倒的な有利で変わりない。そして介入による円高リスクもほぼ消えた。そうした見方が広がり投機筋の円売りに拍車、過去最大規模に拡大する中で起こった結果こそが、金利差から異例なほどにかい離して161円に向かった米ドル高・円安だったのだろう。

170円へ …避けられないドル高」【佐々木融氏・神田卓也】2024/12/5

151円台まで米ドル安・円高に戻した直後に、米イエレン財務長官から、あたかも日本の米ドル売り介入をけん制したと受け止められる発言が飛び出した。これを受けて、「日本はもう米ドル売り介入には動けなくなったのではないか」との見方が広がった。

このように金利差から大きくかい離する形で米ドル高・円安が広がるようになった動きは、それ以前にも増して投機筋の売買との相関性が高くなった。4月29日と5月1日に、2022年10月以来の日本の通貨当局による米ドル売り介入が行われると、米ドル/円は一旦151円台まで急落したが、その後の米ドル高・円安再燃は、投機筋の米ドル買い・円売りとほぼ連動していた(図表2参照)。

米ドル/円と日米金利差の関係は、2024年に入ってから微妙に崩れ始めていた。そして、2023年までの高値の151円を更新し、一気に160円まで米ドル高・円安が急拡大した4月末頃から、誰の目からも明らかなほどに大きく広がるところとなった(図表1参照)。

この統計では、普通は円売り越しが10万枚を超えると「行き過ぎ」懸念が強くなる。従って、過去最高の18万枚の売り越しも、極端な「行き過ぎ」、つまり「バブル」と言ってよさそうな記録だった。そんな「バブル」をさらに大きく上回る売り越し拡大、普通の「行き過ぎ」の3倍の売り越し拡大が、米ドル高・円安の170円到達には必要になりそうだ。


1ドル=170円説も台頭だが…チャート上ではそろそろ円安ピーク

ただし、2024年に入ってから米ドル/円と日米金利差の関係は大きく崩れている。その意味では、米10年債利回りの6%以上への上昇、それに伴う日米金利差米ドル優位・円劣位の一段の拡大は、米ドル高・円安が170円を達成するための必要十分条件ではなくなっている可能性はあるだろう。

為替政策 円安誘導--1ドル170円でデフレ除去 技術的にも問題なし

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26日の外国為替市場のドル円相場は午前10時時点で1ドル=157円32銭前後と、前日午後5時時点に比べ23銭のドル高・円 ..

日本の10年債利回りも最近は1%以上に上昇しているので、金利差米ドル優位・円劣位が5%以上に拡大するためには、米10年債利回りが6%以上に上昇することが必要になる。米10年債利回りは2023年に約16年ぶりに5%まで上昇したが、それをさらに1%以上も上回るのは普通に考えてかなり難しいのではないか(図表4参照)。

12月17日(火)当面のドル円相場見通し【注目!投資ストラテジー】

次に日米金利差との関係で考えてみる。2023年までの米ドル/円と日米10年債利回り差の関係からすると、170円まで米ドル高・円安になるためには、日米金利差米ドル優位・円劣位は5%以上への拡大が必要という見通しになっている(図表3参照)。

為替 1ドル=170円も視野に 歴史的な円安に歯止めかからず

日本経済は深刻な構造的問題に直面しています。人口動態を見ると、20代の人口は60代の8割、10代の人口は50代の6割、10歳未満は40代の半分しかおらず、労働力不足は今後さらに深刻化する見通しです。
また、対外直接投資の継続も大きな課題となっています。2023年9月までのデータでは、対外直接投資は過去最高を更新する勢いです。これに伴い、かつては黒字だった電気機器の貿易収支も赤字に転落しており、日本の貿易構造にも大きな変化が生じています。
さらに、国債問題も深刻です。日銀のバランスシートは大きく拡大しており、政策金利の引き上げは多額の利払い費用を発生させる可能性があります。これにより、金融政策による円安抑制が困難な状況が続いています。

7月のドル円は、上旬に1ドル=160円台の高値圏で推移したのち、7月11日 ..

私の父親はトルコで輸入業をやっていたのですが、貿易の仕事では、為替相場が安定していることが最も重要なのです。1ドル=140円の時に輸入した商品は、1ドル=160円まで円安になって、同じ価格で売れるかというと、普通は無理です。円安になれば、同じ商品をより高い値段で購入しないといけなくなるので、円安前に輸入した商品でも値上げしないと次の仕入れができなくなります。

午後3時のドル148円半ば、日銀副総裁発言後に円全面安 | ロイター

これをどう解釈するかは悩ましいところだ。170円まで米ドル高・円安になるということは、過去最高の「行き過ぎた米ドル高・円安」が再現するという意味の一方で、「行き過ぎ」ではあるものの、必ずしも未体験のものではなかったということだ。

3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場終盤から円安が進み148円 ..

170円/127円=1.338なので、170円まで米ドル高・円安が進んだ場合、5年MAかい離率は34%近くまで拡大する計算になる。1980年以降で、5年MAかい離率の最高は2015年に記録した34%(図表2参照)。これは、5年MAとの関係で見た時、「行き過ぎた米ドル高・円安」の最高記録になっているが、170円まで米ドル高・円安になるということは、その記録にほぼ並ぶという意味になる。

― 経験的に見て170円/ドルの円安で+0.5%の利上げ圧力 ―

ここまで激しいインフレは日本では起きないにしても、今回の円安によって、メディアも国民も若干パニックモードになりました。1ドル=150円くらいで止まると思っていたのに、下手をすると200円までいくかもしれない、という雰囲気になったのです。

円相場は対ドルで下落し、一時1ドル=158円95銭と4月29日以来、約2カ月ぶりの円安・ドル ..

まずは、米ドル/円と過去5年の平均値である5年MA(移動平均線)との関係を確認してみよう。米ドル/円の5年MAは足下で125円程度。このままのペースで米ドル高・円安が進んだ場合、年末までに5年MAは127円近くまで上昇する見通しになる(図表1参照)。

円安は日本の輸出企業にとっては1ドル=160円でも170円でも… 続きを読む.

1ドル=100円だろうが、150円だろうが、円安なら円安で、どこかの水準で止まってくれるなら、家計や企業にとって大きな問題にはならないのですが、どんどん円安が進めば、国民生活は苦しくなります。

大半の購買力平価指標で見ると、米国で1ドルに相当する商品群は日本では100円未満となっており、ドル円 ..

2025年のドル円相場は170円まで上昇する可能性があります。この予想の背景には、複数の構造的要因があります。第一に、日本の実質金利が継続的なマイナス状態にあること、第二に、アメリカ経済の構造的な強さ、第三に、日本の円安要因が不変であることが挙げられます。
特に注目すべきは、過去4年間にわたって円が主要通貨の中で最も弱い通貨となっている点です。アメリカ経済の一人勝ち状態が加速する中、この傾向は今後も継続する可能性が高いと分析されています。

24日の外国為替市場でも1ドル=138円台をつけた。市場で予想されていた1ドル=150円、160円は来るのか? ..

動かぬ植田日銀 追加利上げ見送りで再び円安「1ドル=160円」到来確実…1月も動けぬ恐れ