最後にアニサキスの間違って知られている知識をまとめて紹介します。


魚屋で見つかる寄生虫対策の大前提として、


※ただしアニサキスアレルギーなど寄生虫体そのものにアレルギー体質がある場合は除く





この3点が基本です。とにかく魚に付く寄生虫ですから熱には弱く、通常の加熱調理で大丈夫。対して、半端な塩漬けや酢漬けなどの処理だけでは不十分ですので注意が必要です。最も気を付けなければならないのは刺身や寿司など生で魚を食べる場合ですね。一度冷凍すれば安全は確保できますが、お店もすべての魚を冷凍してから出すということはできませんし、冷凍すれば当然味は落ちてしまいます。アニサキス被害はしめ鯖が原因となるケースが非常に多いのですが、多くは味を優先し冷凍処理が行われていなかったためと考えられます。

ここまで紹介した出現頻度の高い寄生虫のうち、(※1) そして、アニサキスが寄生している魚類にはかなりの偏りがあります。例えば魚屋が日常刺身で提供するタイの仲間や大型のマグロ類、スズキやヤリイカなどではほとんど見かけません。また、アニサキスはオキアミなどの小型のエビを介して魚類に寄生するため、人工飼料で育てられる養殖魚ではアニサキスの心配はほぼ無いと言っていいと思います。

このように、魚屋は長年積み重ねてきた知識や経験則でアニサキスが多い魚・少ない魚を認識し、かつ冒頭で述べたような対策を重ねた上で、リスクが低いものを生食用・刺身用として提供しています。基本的に、消費者の方がスーパーや鮮魚専門店などでお刺身を買う時に、それほど警戒する必要は無いでしょう。さらにリスクを減らそうとするのであれば、




をすることです。魚類に寄生しているアニサキスは必ず肉眼で確認できますから、ここまですれば被害にあうリスクは最小限にできるはずです。




アニサキスに感染した場合、激しい腹痛やみぞおちの強い痛み、吐き気などの症状に見舞われますが、アニサキスは人間の体内で長期間生きられないため、基本的には放置しても1週間程度で死滅します。

アニサキスに感染した恐れがある場合は、胃カメラ検査や血清検査、エコー検査などで感染しているかの検査を行います。

サバ、アジ、ヒラメ、イカ、カツオ、ブリ、イワシ、タイ、ニシン、サケなどによく見られますが、これ以外の魚にも多くアニサキスは寄生しています。

アニサキス症は冷凍や加熱で対策がとれますが、アニサキスアレルギーはアニサキスが寄生している可能性がある魚介類を食べない以外の有効な予防方法はありません。

血清検査は胃アニサキス症以外の疾患が疑われる場合に実施され、エコー検査は食後から時間があまり経過していない場合に実施されます。

一種の生物として見れば、これらの魚類寄生虫も興味深い生物なのですが、魚屋にとっては一言で表すなら「厄介者」。これに尽きます。

魚屋に入ると最初にアジやイワシの三枚おろしなどを教わりますが、ほぼ同時期に寄生虫についての最低限の知識も叩きこまれます。どんな魚のどの部位に多く寄生しているか、クレームになりやすいのはどの種類か、危険なのか……などなど。これらの寄生虫の多くは、体表面だけでなく組織の中に隠れていることも多いので、魚屋はその隠れた寄生虫を探し出すサーチ能力も最低限身に付けなければなりません。

また、大抵の魚屋は異物混入を防ぐために内臓処理を行う俎板(まないた)と生食用の魚肉を扱う俎板を明確に使い分けます。大きな厨房を持っているお店なら作業場そのものを隔離することで、内臓表面のアニサキスが刺身や寿司ネタに混入しないように注意を払っています。

しかし、秋の生鮭などには正直取りきれないぐらいの数のアニサキスがいることもままあり、また前述のLEDやブラックライトを用いたところで身の奥に潜った個体は見つけられません。それが時間差で這い出てきてしまうのも日常の出来事なのです。結果、日々の売場チェックをくぐってお客様に届いてしまうこともあるわけです。

このように、高確率でアニサキスがいる魚種は必ず「加熱用」として売場に並んでいますが、このお店に管理上の問題があるわけではありません。できれば条件反射で魚を捨ててしまうのではなく、魚屋さんに相談して、なるべく魚の命を無駄にしないでくれたら……と切に願うばかりです。

アニサキスは海水中で卵がふ化し、プランクトンであるオキアミに食べられて幼虫となります。
このオキアミを「アジ・サバ・サンマ・イワシ・タラ・サケ・イカ」などの魚介類が食べて、虫体を体内に取り込みます。これらを人間が生で食べることによって、症状をきたす病気を「アニサキス症」といい、特に多いのが胃に発症する「胃アニサキス症」です。
福岡県はサバやイカなどの美味しい地域であり、これらを生で食べる機会も多いため、アニサキス症には十分注意する必要があります。


寄生虫 アニサキス プロによる見つけ方でアニサキス食中毒を防ぐ

ちなみに、そのときのアニサキスの写真はこちら。
※アニサキスの写真が表示されますので、ご注意ください↓

[PDF] アニサキス アニサキス食中毒は、サバ、アジ、イワシ、イカ

あれは数年前の真夜中、急に胃のあたりが痛くなりました。
翌日の早朝からラジオ番組の収録があったのですが、痛みを堪えてなんとか収録をこなしました。その後お昼くらいになって、前の日に食べた「肉厚のイワシのお刺身」を鮮明に思い出してしまいました。
「この痛みはアニサキスが原因だ!」と自己診断をして、かかりつけの消化器内科を受診し、「アニサキスを取ってください!」とお願いをしました。
胃カメラを入れると、案の定アニサキスが私の胃にいた!胃の壁は赤く炎症を生じていて、壁に入り込んでいない幼虫の一部はバタバタと暴れていたことを今でも思い出します。胃カメラの管に、毛抜きのような器具を入れて、胃の壁から取り除いたらすぐに痛みから解放され、仕事に戻れるほど回復しました。

「胃からアニサキス」スーパーで買ったアジ・タチウオの刺身を食べた60代男性が腹痛や吐き気の症状 アニサキス食中毒 宮城 ..

一番有名なのは、サバとアジです。
その他、イワシ、サケ、カツオ、イカ、サンマなどを生で食べることによって発症します。
食べて数時間後に、激しい腹痛(胃の痛み)や嘔吐などが生じます。「お腹を下す」ということはあまりなく、中には「背中が痛い」という報告もあります。身体に入ったアニサキスは一週間ほどで死んでしまいますが、みぞおちを太い針で何度も刺されているかのような痛みで、まっすぐ立てないことも多くあります。
刺さったことによる炎症による痛みだけではなく、アレルギー反応も関与していると考えられています。通常、胃カメラでアニサキスの幼虫が胃の中に入り込んでいることを確認することで診断されることが多く、その幼虫を胃の壁から取り除くことで、治療します。

サバ、アジの寄生虫“アニサキス”一気に退治! “画期的”パルスパワーとは? 熊本大と福岡市の企業が開発

▼いくつか理由はあって、
①医師や一般の方々がこの病気をよく知るようになってきたこと
②診断するのに必要な胃カメラが普及してきた
③保健所への届け出が必要になってきたこと
④そして、冷凍しないで魚介類を運べるようになったこと などなど。
特に「冷凍しないで魚介類を運べるようになったこと」が大きな原因だと考えられています。アニサキスは冷凍によって死んでしまうので、魚介類を冷凍して輸送していればあまり問題は起きませんでしたが、輸送技術の発達によって、魚を生の状態で運ぶことで、アニサキスも生きたまま魚とともに運ばれてしまう、ということが考えられています。

アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど ..

▼アニサキスによる食中毒のことを「アニサキス症」とも呼びますが、アニサキスという寄生虫の幼虫がいる魚介類を食べることによって生じます。食べた数時間後に、アニサキスが胃などの消化管の壁に食いつくことによって、腹痛などを起こします。
▼厚生労働省の統計によると、2006年に5件だった報告件数は、2016年には124件、2021年には344件と増加していて、15年で50倍以上にも増えている計算ですね。
▼診断されていないものも含めると、まだまだ増えるとも思います。

干物にアニサキスなど寄生虫の心配はないの?ポイントは冷凍と加熱

アニサキスの寄生場所は海洋哺乳類(イルカ、クジラなど)です。

これらの体内でアニサキスは産卵し、増殖していくわけですが、海洋哺乳類の排せつ物などを経由してサバやアジのエサとなるオキアミに住み着き、オキアミからサバやアジに住み着いていくという経路になります。

天然魚は生息している海域に海洋哺乳類が多く生息していると、そこでアニサキスをもらってきてしまうということです(いろいろ経由しますが)。

養殖魚はエサが加熱処理されているペレットなどであれば、エサ経由でのアニサキスの入り込み(卵か幼虫)は少なくなります。

一方、生のエサを与えていると、アニサキスは入り込む可能性があります。

そのため、対策としてはエサを加熱処理されているものに限るというのがひとつの案です。

すでに加熱処理されたエサのみを与えているのにアニサキスが多いというのであれば、養殖海面のエリアがイルカやクジラが多く見受けられるエリアであるため、これ以上の対応は難しいと思います(海に膜を張って小さな生き物の通過を防ぐことはできないので)。

白色の少し太い糸のように見えます。 アニサキス類幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの 魚介類に寄生します。

アニサキスの寄生場所は海洋哺乳類(イルカ、クジラなど)です。

これらの体内でアニサキスは産卵し、増殖していくわけですが、海洋哺乳類の排せつ物などを経由してサバやアジのエサとなるオキアミに住み着き、オキアミからサバやアジに住み着いていくという経路になります。

天然魚は生息している海域に海洋哺乳類が多く生息していると、そこでアニサキスをもらってきてしまうということです(いろいろ経由しますが)。

養殖魚はエサが加熱処理されているペレットなどであれば、エサ経由でのアニサキスの入り込み(卵か幼虫)は少なくなります。

一方、生のエサを与えていると、アニサキスは入り込む可能性があります。

そのため、対策としてはエサを加熱処理されているものに限るというのがひとつの案です。

すでに加熱処理されたエサのみを与えているのにアニサキスが多いというのであれば、養殖海面のエリアがイルカやクジラが多く見受けられるエリアであるため、これ以上の対応は難しいと思います(海に膜を張って小さな生き物の通過を防ぐことはできないので)。

アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。 主な症状

長崎県で養殖業をしていて、主に、サバやアジを養殖しています。

テレビで食中毒の原因として、時々、話題になるアニサキスについて悩んでおります。

アニサキスが寄生した魚を食べると、アニサキス症と呼ばれる激しい腹痛に襲われます。

このアニサキスは、天然魚だけでなく養殖魚の中にも寄生していて、割合としては特別多いわけではありませんが、10万匹に数十匹ぐらいの割合で寄生しています。

アジやサバ、カツオ、イカなどに寄生しやすいといわれていて、まさに私たちが養殖している魚がアジやサバですので、できる限り解決したい問題の一つです。

また、長崎県周辺では、アジやサバを刺身として生で食べるため、消費者の体調面、そして生魚で食べる文化を残していくためにも食中毒は防がなければいけません。

加熱するか、マイナス20度で24時間以上冷凍することで死滅することは知っていますが、冷凍すると魚の鮮度が落ちるので、できれば冷凍したくありません。

そこで、アニサキス発生の原因や予防策、また、殺傷できるエサや効果的な対策があれば教えてほしいです。
(長崎県・上村弘樹さん/仮名・40代)

アニサキスの成虫はクジラなどに寄生する寄生虫です。幼虫はオキアミを経てサバ、アジ、イワシ、イカなど様々な魚に寄生して感染幼虫になります。

アニサキスに寄生されている可能性がある魚を食べる際は、ぜひ本記事で紹介した予防方法を実践してみてください。

アニサキスは寄生虫の一種です。 幼虫はサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、

一時期は、よく噛むとアニサキスは死んでしまうと言われていましたが、実際にアニサキスを噛んでみた人の報告によると、「輪ゴムのように固くて噛みきれなかった」という報告が多いので、予防には繋がりにくいかもしれません。ただ、包丁を使用して、たたきの状態にすればアニサキスは死滅します。アジのたたきは極めて医学的見地に基づいた調理法ですね。