円安急進の可能性も ドル円に節目か 日米金融政策の見通しは?
今後の円安進行で気になるのは、日本の通貨当局が為替介入に打って出るかという論点だ。2024年4月29日・5月1日には介入を実施している。為替相場が連休前に1ドル153~155円で膠着していたところから、一気に156~157円に円安が進んだところで、頭を押さえるように9.8兆円の為替介入が行われた。このときは随分と投機色が強かった。現在は、シカゴのIMM通貨ポジションは、以前よりも円売り方向になってきたが、4・5月ほどは投機筋の円売りポジションが膨らんでいない。だから、今のところ実勢を反映した円安に見えるが、円安の勢いが強いと介入の可能性は高まっていく。
さて、日銀はどうだろうか。衆議院選挙で与党が敗北して、筆者は日銀の年内利下げはないと思った。しかし、ここにきて12月利上げの公算は高まっている。来夏に参議院選挙を控えた石破政権は、物価上昇の再加速を快くは思わないだろう。秋の経済対策の吟味も行われている。日銀は、クリスマス商戦を念頭に置き、「米国経済の見極め」を行うつもりだ。このアナウンスは、2024年12月か、2025年1月のいずれかに利上げをする意向を示すものだ。それに対して、足元の円安進行は12月利上げの可能性を高めるものだろう。近々、財務官や植田総裁から円安への口先介入が行われるだろう。そうした展開になれば、12月利上げは近いというシグナルだと考えられる。
筆者が少し不思議に思うのは、米株価が大きくは下がらないことだ。株価はこれまでFRBの利下げ予想を織り込んで上がってきた。ならば、トランプ当選で金融緩和期待は剥落しているのに、なぜ株価は大幅に下がらないのか。これも、ドル高と同じく、潜在的なトランプ・トレードの押し上げ圧力が見た目以上に強いことを示唆している。
日本時間19日に相次ぐ、FRBと日銀の金融政策発表はドル円相場の節目となりえる。日銀が利上げを見送れば、円安急進の可能性もある。
長短金利をみてみると、11月の利下げ後のFFレートの誘導目標は、4.5~4.75%である。長期金利は4.4%台まで上がっていて、これはほぼ同水準だ。ここには短期金利の見通しの変化が背景にあるのだろう。今後は、短期金利があまり下がっていかないだろうという予想なのだ。従来の短期金利>長期金利の図式、つまり長短金利の逆転が続いてきた。しかし、それは解消する手前までやってきている(図表2)。FRBは、9月時点で2025年中▲1.00%ポイントの追加利下げを予告しているが、長期金利はその利下げをあまりカウントしていない水準で推移している。これは、潜在的なインフレ圧力を見込んでいるということだ。そして、FRBがどこかで利下げを休止して、いずれ利上げ方向に転じてもおかしくはないことを見込んでいるのだろう。米金利のイールドカーブは、1~3年にかけて4.2~4.3%程度になっている。
トランプ大統領の就任に伴い、経済、金融、外交といった様々な分野で大きな政策転換が予想される。前回のトランプ政権時には、保護主義的な通商政策やトランプ流外交により、為替市場が大きく揺さぶられた。再び同様の政策が採用された場合、現在の為替相場にどのような影響を及ぼすのか。
ドル円レートは、1ドル156円台までドル高が進んだ(図表1)。11月5日の選挙でトランプ氏が次期大統領に決まり、ここにきて上下院ともに共和党が過半数を占めることが確実になったからだ。下院でねじれがあれば、法案修正の圧力がかかるが、トリプルレッドが確実になったので、そうした圧力を受けずにトランプ政策が通りやすくなった。それは間接的に財政赤字要因になるので、米長期金利が上昇した。これはドル高要因だ。
円安進行が目立ってきている。トランプ当選で地殻変動が起きている。財政悪化の観測が、米長期金利を押し上げている。FRBの利下げについても、2025年にかけては進めにくいと予想される。日米金利差の拡大は、ドル高・円安要因である。今後、これに対抗しようとする日本の通貨当局の口先介入と、日銀の追加利上げはどうなるだろうか。
米ドル/円(USDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し
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「実需の円売り」が影を潜める中、日米の金利はどう動くか。2025年の為替相場を展望する後編。
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ドル円は 152 円手前まで上昇。1 月 1 日に発生した能登半島地震の影響で、日銀が復興支援のため
・震災などの天変地異や政変、また大企業の倒産等、市場に大きな影響を与える事象発生時に相場が急変した場合。
12月17日(火)当面のドル円相場見通し【注目!投資ストラテジー】
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【2025年】米ドル/円(USD/JPY)予想・今後の見通し
トランプ氏の2025年から2029年の大統領任期におけるドル円相場の予測について、以下の分析フレームワークで検討を行う。本分析では、大規模言語モデル(LLM)を活用し、トランプ氏の過去の発言や政策、現在の経済状況、そして将来の不確実性を考慮した包括的な予測を試みる。
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
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2025年の為替相場展望 | 今週の為替相場予想(テクニカル分析)
日本銀行が3ヶ月ごとに発表する景況感と先行き(今後3ヶ月の見通し)景気に関する指標です。全国約1万社の民間企業経営者を対象にアンケート調査を実施し、調査結果を基に製造業・非製造業の業況判断指数(DI)と先行きがそれぞれ算出されます。調査から公表までの期間が比較的短いため、速報性が高く、特に業況判断指数(DI)が注目されます。海外では「TANKAN」の名称で知られています。
レバレッジドファンドはドル円相場に対し強気に転じ、今後数カ月で最大5%の上昇を見越したポジションの設定を急いでいる。
日本銀行の政策委員会が金融政策を決定する会合で、年8回の日程で開催されます。政策委員会は日銀総裁、副総裁2名、審議委員6名の計9名で構成され、多数決で政策を決定します。また、年4回(通常1月、4月、7月、10月)の会合後に経済・物価情勢の展望(展望レポート)が公表されます。会合後には日銀総裁の記者会見が行われ、声明文とともに非常に注目度が高いです。
今週のドル円FXレートのレンジ予想(高値・安値予想)を公開。現在値、今週のレンジ、過去予想勝率も。
筆者は、1月のトランプ就任前後にさらに米長期金利が上がって、ドル高・円安が進むと警戒している。ドル円レートは、2024年7月上旬につけた1ドル161円台にまで接近する可能性があるとみる。そこに至るまでに、おそらくは通貨当局による口先介入があって、一時的な膠着状態が起こるだろう。それでも、トランプ要因でのドル高圧力の方が大きな作用なので、円安への流れは止まらないとみる。
来週のドル・円はじり高か、ドル買い基調継続-介入警戒で調整含み
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
【2025年S&P500予想】来年の米国株はどうなる?9つのビックリ予想
商務省国勢調査局(USCB)が毎月発表する住宅関連の指標です。実際に建設が開始された住宅件数の年率換算データで、景気関連の先行指標として広く知られています。住宅投資が盛んな米国では、住宅指標にドル相場が敏感に反応することも多く、米国の金利が上昇する局面では注目度が高くなります。
日本銀行は今年最後の金融政策決定会合を開いています。7月以来の利上げを決めるかが焦点とされるなか、まもなく結論が出る見通しです。
まず、トランプ氏の経済政策に関する主要な発言を分析し、その政策方針を明確化する。次に、これらの政策が実行された場合の「想定内シナリオ」におけるドル円相場への影響を、金融政策、財政政策、通商政策の観点から分析する。続いて、予期せぬ事態が発生した場合の「想定外シナリオ」について、地政学的リスクや国際金融市場の急激な変動などを考慮した分析を行う。最後に、各シナリオの発生確率をAIモデルによって算出し、より現実的な予測の提示を目指す。なお、本分析ではLLMの特性を活かし、膨大な過去データと最新の市場動向を組み合わせることで、より精度の高い予測の実現を図っている。