【2024年前半】豪ドル円(AUD/JPY)の今後の見通し・予想


日本銀行が2024年12月の金融政策決定会合で追加利上げを見送り、円安ドル高が進んだ。日本の低金利への不満と、円安による円資産価値の下落への警戒感から、日本よりも高い金利を求めた外貨建て投資のニーズは根強いだろう。そして米国が利下げに転じたことで、米ドルではない高金利通貨への関心が高まりそうだ。特集の本稿では、25年に注目の高金利通貨について、予想レートと見通しを解説する。(ミンカブソリューションサービシーズ外国為替情報担当編集長 山岡和雅)


NZドルは資源国通貨と言われていますが、オーストラリアドル(豪ドル)などとは少し性質が異なります。ニュージーランドは酪農業が主要輸出産業であり、全輸出の3割弱を酪農製品が占めています。 そのため、NZドルは原油など資源の価格だけでなく、乳製品といった農産物価格の影響も受けやすいという特徴があります。

また豪ドルは、輸出割合がトップの中国経済や、コモディティ市場などの影響を受けやすい傾向もあります。
豪ドル系の通貨ペアを取引する際は、中国経済の動向やコモディティ市場の需給要因などにも注目すると良いでしょう。

豪ドル円相場は33年ぶりの高値だった109円台から105円台に戻った。今後は日米の金融政策の見通しへの思惑で値動きが不安定になる可能性も。

では、金利差でもCRB指数でも説明するのが難しい最近にかけての豪ドル下落拡大の理由は何か。よく聞くのは、豪ドルと一定の相関関係がある鉄鉱石価格が最近暴落したことだ。鉄鉱石は、豪州の輸出の約2割を占めており、豪ドル相場への影響力も大きい。

2025年、この奇しくも戦後80年の節目の年に、日本と世界が新時代に突入する――。ダイヤモンド編集部の総力と国内外の超一流の専門家たちの英知を結集させる、超人気企画が「総予測」だ。経済や景気、企業のみならず、トランプ・リスクに揺れる国際関係に政局、社会、スポーツまであらゆる分野を完全網羅し、今までの常識が通用しない時代に打ち勝つ「答え」をお届けする。

圧倒的な取引高を誇る米ドル/日本円を除けば、その時々によってポンド/日本円、豪ドル/日本円、ユーロ/日本円、ユーロ/米ドルが順位を入れ替えていることが分かります。
豪ドル/日本円に注目すると、2022年5月には人気のポンド/日本円などを差し置いて2位になっています。

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今回はドルやユーロといった主要国通貨に次いで人気が高い通貨を紹介しましょう。原油、鉄鉱石などの天然資源を豊富に産出する国の通貨です。

かつては高金利通貨の代名詞であった豪ドル。現在でも個人投資家からの人気は健在で、2023年の国内の個人投資家における取引金額割合では3位の人気を誇っています。また、オーストラリアの政治経済や、チャートのテクニカルポイントに関するニュース配信も豊富ですので、豪ドル/円のお取引は「みんなのFX」のご利用をぜひご検討ください。
なお、先述の通り、豪ドル/円の値動きやスワップポイントの変動は、鉱物資源の需要に左右される傾向が強いため、世界経済や中国経済の動きに影響されます。また国内景気や、インフレ動向を判断するRBAの政策金利・声明文もしっかりウォッチしながら取引すると良いでしょう。
(2024年5月時点 トレイダーズ証券 市場部)

豪ドル上昇一服 中国減速不安で オーストラリア利上げ観測は消えず

一方、対中輸出が経済に占める割合が大きい国の通貨であるオーストラリアドル(豪ドル)、ニュージーランドドル(NZドル)、南アフリカランド、メキシコペソはかなり不安定な動きが見込まれる。

先進国でありながら天然資源が豊富リスク回避の動きが広がる追加利上げの可能性も

また併せて、毎月公表される豪雇用統計も押さえておきたいです。直近は雇用環境も大都市のみならず幅広い地域で改善していることが確認されており、正規雇用を中心に底堅さが伺えるなど賃金上昇に繋がりやすい状況が続いています。対して、コロナショックで一時悪化した失業率は改善を続け、およそ50 年ぶりの低水準で推移しています。雇用者数や失業率のデータはRBAが非常に重視しているデータで、これらの変化に着目することで、今後のRBAの金融政策や豪ドル/円相場を見通すヒントが見えてくるかもしれません。

日本の低金利への不満と、円安による円資産価値の下落への警戒感から、日本よりも高い金利を求めた外貨建て投資のニーズは根強いだろう。

取引量が比較的多い豪ドル/日本円は、値動きが安定しやすく初心者の方でも取り組みやすい通貨ペアです。
ちなみに、マイナー通貨ペアの場合は、需給の偏りによって突発的な変動を起こす場合もあるので注意が必要です。

下がることが予想されるため、政策金利の下げは米ドル安につながる傾向があります。 オーストラリアドル(豪ドル)

たとえば、豪ドルの金利が10%、日本円の金利が0%とします。
1年間100万円を運用すると、豪ドルは110万円に増えますが、日本円は100万円のままです。
ほとんどの方は、豪ドルで運用をしたいと考えるでしょう。
金利差の拡大が続けば、更に豪ドルへ資金が集まりやすくなります。
日本円を売って豪ドルを買うという行為が増え、その結果、2023年のような豪ドル高円安が発生するのです。

途中売却する場合、市場の取引価格となるため、市場環境によっては額面金額よりも下回るリスクがある。 ..

ただし、6月頃から顕著になった豪ドル/米ドルの下落を、鉄鉱石価格の推移は継続的に説明できるものではなかった。そして、おそらく今週の豪ドル/米ドル急落を比較的うまく説明できたのは豪州の最大貿易相手国、中国の株式指数である上海総合指数の急落だっただろう(図表4参照)。

株価 過去最大の値下がり ブラックマンデー超え“4つの要因” | NHK

冒頭でも述べたように、豪ドルはオーストラリアの通貨です。
かつては高金利通貨の代表的存在で、円キャリートレードが流行した2005年以降は政策金利が5%以上の水準を誇りました(2008年には約7%まで上昇)。

【NHK】週明けの5日の東京株式市場は、アメリカの景気減速への懸念や円高の進行を受けて全面安の展開となり、日経平均株価の終値は44…

豪ドルは、エネルギー・鉱物資源などを豊富に有する世界有数の資源国通貨です。
全輸出の過半数以上が鉄鉱石や石炭などのエネルギー・鉱物資源で占められています。
そして、コモディティ市場との相関関係が見られます。

オーストラリアドル、続く下落 中国経済の失速色濃く・利下げ観測も

豪ドル相場を見通す上で最も注目したい指標が、RBA金融政策発表です。RBAは現在の金利据え置きによって、インフレ抑制に向けた行動を続けていますが、現時点でインフレ率はRBAが物価目標としている年2%~3%のレンジを依然上回っています。

上述したようにRBAは足元のインフレ動向を背景に引き締めスタンスをとっているため、当面は現行の金利水準の維持が想定されます。とはいえ、経済指標(データ)次第であることに変わりないため、今後も声明等の内容に注目しつつ、指摘されるインフレリスクや経済の不確実性などの要素を見定めていく必要があるでしょう。

円高・円安が投資信託へ与える影響は? | auのiDeCo(イデコ)

以上を整理すると、豪ドル下落が6月以降拡大した第一の理由は、米金融緩和見直しの可能性が浮上したこと、そしてそれは、8月以降の鉄鉱石価格暴落で再燃、さらに今週の中国株急落で改めて豪ドル売りとなったところ、この間のレンジをブレーク、テクニカルに下落拡大となったということではないか。

日銀追加利上げ観測で進む円高と円高に連動した株価の急落|2024年

豪ドルの上値余地を探る上では、RBAによる金融政策の動向が最大の焦点となりそうです。RBAは2020年11月に政策金利を同国史上最低値となる0.10%に引き下げましたが、2022年5月の会合で利上げに踏み切りました。2023年4月の会合で利上げを見送り、10会合に及んだ連続利上げがストップしたものの、翌5月にはインフレの上振れリスクなどを理由に利上げを再開、予想外の決定でマーケットを驚かせました。
RBAは2024年6月の会合で政策金利を据え置き、4.35%の高水準で維持することを決定しました。声明では「直近のインフレ率は低下ベースが鈍化」と引き締めの可能性に含みを持たせており、その後行われたブロックRBA総裁の記者会見では、利上げの議論があったことも伝えられました。RBAの政策運営は豪ドル/円に対して大きな影響力を持つためその動向は注視しておきたいです。

1ドル140円台で推移…円高進行で物価は下がるのか 専門 ..

冒頭に述べた「複合的な」豪ドル安要因とは以上のようなこと。つまり数ヶ月に渡り継続的に説明できる要因は見当たらないものの、結果として下落要因を「バトンタッチ」した形で豪ドル安が続いてきたといえそうだ。それは、別な見方をすると、どんな売り材料にも過敏に反応するほど、豪ドルの下落リスクが高い状況が続いている可能性とも考えられなくない。