トレードの損益は、値幅(獲得pips)と取引数量を掛けることで求められます。


FX上級者になると、新規の発注の際に利益確定の値幅と損切りの値幅をあらかじめ設定する投資家もいます。たとえば、「利益確定幅:60pips、損切り値幅:30pips」というように、新規ポジションの買値(または売値)からどのぐらい離れたら利益確定や損切りをするのか、一定のルールに従って取引するのです。もしかしたら、FXの入門書にもこのような手法が書かれているかもしれません。


例えば、米ドル/円の取引で「100pipsの損失で損切りする」と決めていた場合、10,000通貨の取引なら、1万円の損失となります。

このように損失のpips幅は同じでも、取引数量が違えば損失の金額は大きく変わってきます。

例で挙げた3つのペアの1pipsの価値はそれぞれ異なり、以下の通りです。

この損切りをpipsの幅で決めると、取引の数量によって損失の金額が変わります。

このように獲得した損益は100,000円だと分かります。但し、FX会社によっては1pip=0.01円でなく、1pip=0.001円といったケースもあるので注意が必要です。注文時に1pip=0.01円と考えて取引数量を設定したら実はpipsの基準が異なっていたということもあるため、予め取引するFX会社のpips単位を確認するようにしましょう。

Pipsの性質を理解すれば、利益や損失を即座に計算できます。しかしpipsばかりを頼りにすると、思わぬ損失を被るかもしれません。

一方、ユーロポンド(1ユーロ0.9ポンドと仮定)を1ロット取引して100pipsを獲得した場合、以下のような計算式を使います。


しかし、pipsで計算すると、それぞれの利幅は以下のようになります。

仮に、米ドル/円を1ドル=100.00円の時に10,000ドルの新規買い注文し、その後1ドル=110.00円の時に売り決済をした場合、獲得した損益の計算は以下のようになります。

①は、より少ない資金でより広い値幅を稼ぎ、3,000円の利益を得ています。

ユーロ/米ドルのような円が絡まない通貨ペアの場合、基本的に1pip=0.0001ドルになります。通貨ペアの損益の計算式はクロス円と同様に、損益=取引で獲得したpips × 1pipの基準値(0.0001ドル)×取引数量です。

損益をpipsで計算すると、このように投資効率を比較しやすくなります。

まず、ドル円を1ロット取引して100pipsを獲得した場合、10万円の利益を得られます。

つまり、このケースでは1pips動くと1,000円の損益が発生します。

結論から言うと、米ドル/円の1000通貨取引における1pipsの利益はです。

必要な証拠金についてはレートを1米ドル円 = 155円(2024年5月時点)とすると、レバレッジ25倍なら約6,000円で取引できます。

では、仮に1pips動いた時の損益が分からなかった場合はどうなるのでしょうか?

日本円を含む場合と含まない通貨ペアに分けてpipsを基にした損益計算方法を解説しましょう。

損益=取引で獲得したpips × 1pipの基準値(0.01円)×取引数量

例えば、ユーロ/米ドルを1ユーロ=1.0000ドルの時に1万ドルで新規買い注文し、その後1ユーロ=1.0050ドルの時に売り決済をした場合、獲得した損益の計算は以下のようになります。

1pipsあたりの値段は9ポンドなので、以下のように計算可能です。

取引で獲得した利益が同額でもpipsによって取引の上手さを読み取れます。ここではpipsによる実際の損益がいくらになるかの計算方法をお伝えします。pipsの基準は通貨ペアによって異なるため、それぞれ具体例を挙げながら解説します。

1pipsがいくらかという定義は、FX会社によって異なります。

米ドル/円を10,000ドル買う場合
・損失許容額が10,000円のケース
10,000円(損失許容額)÷10,000ドル(取引量)÷0.01円(1pipあたり単位)=100pips
⇒買値から100pipsの下落まで許容

損切りラインは、pipsだけでなく、取引量も踏まえて決めなければなりません。

ただしレバレッジ25倍の取引はレートがわずかでも不利な方向に動くと証拠金維持率が100%を下回りやすいので、4万円は用意してレバレッジを3倍以下に抑えましょう。

記事内容を実践すれば初心者でもpips計算ができるようになり、

この場合、想定した価格になるまで、損益が分からなくなります。仮に大きいロット(例えば1ロット)で取引していた場合、あまりの損失の大きさに驚くでしょう。

1pipsがいくらかは、同じFX会社の中でもによって異なります。

・損失許容額が50,000円のケース
50,000円(損失許容額)÷10,000ドル(取引量)÷0.01円(1pipあたり単位)=500pips
⇒買値から500pipsの下落まで許容

それぞれの利益は下記のように両方とも5,000円の利益となります。

「みんなのFX」では、ご自身のFXの取引結果が一目でわかる「マイパフォーマンス」という便利なツールがありますが、「マイパフォーマンス」でも「獲得pips」や「最大取引pips」「平均取引利益pips」など、様々な項目がpipsを使って表示されています。

「米ドル/円のスプレッドは0.2pips」といった使い方ですね。

なぜなら、取引数量によって同じpipsでも生じる損失額が10倍、100倍と異なるからです。

トレードの損益は、pipsと取引数量の掛け算によって求められます。

例えば、100pips逆行した場合に被る損失額は1ロットと10ロットでは大きく異なります。

クロス円の場合、1000通貨で1pips利確した時の利益は10円です。

また、前述したようにpipsはスプレッドの単位としても用いられます。スプレッドの単位には「銭」と「pips」の2種類が用いられますが、考え方は同じです。1pip=0.01円としているFX会社が米ドル/円のスプレッドを1pipとしている場合、1ドルにつき日本円で0.01円(1銭)の費用がかかります。FXは銭単位の世界のため、小さな差でも取引の損益に大きな影響を及ぼします。特にトレードを短期間で繰り返すトレーダーはスプレッドの違いが収益に影響を及ぼしやすいため、取引する通貨ペアの1pipの定義を取引前に把握し、過度なスプレッドの負担を回避するように努めるべきでしょう。

1000通貨取引で1pipsの利益を積み上げるにはがあります。

この記事では、pipsの計算方法を初心者にもわかりやすく解説するとともに、安全に運用できる資金量の目安と1pipsの利益を積み上げるコツをお伝えします。