コートドール (三田) 最新のレストランの口コミ(2024年)
予約→ 休日ランチは1ヶ月前で希望通り予約できました。
◆お店の基本情報◆
オーナーシェフ・斉須政雄さん---1950年福島県生まれ。1973年から12年間、フランスで料理修行。1982年にオープンして瞬く間にミシュランの星を駆け上ったパリの老舗 L'ambroisieの、創業時の調理場スタッフがオーナーシェフの Bernard Pacaud 氏と斉須さんの二人だった。1986年に帰国し三田にCote d'Or をオープン、現在はオーナーシェフとなっている。「調理場という戦場」など著書多数。大衆迎合しない料理哲学を貫いている。2012年ミシュランで初の一つ星を獲得。
2012/10 【初訪問】 夫と休日ランチ
小雨が降る初秋の日曜日。
流行に左右されない、つまり言い方を変えれば「今の流行ではない」スタイルに賛否両論の、コートドールを訪れました。
レストランがあるのは慶応大学近くの三田ハウスの一階。1972年に建築されたこのヴィンテージマンションは、40年たってなお品格すら感じさせます。レストランに足を踏み入れた時の空気も然り。華美な装飾によるものではなく、そこに棲む者の姿勢から放たれる「品格」が漂っていました。
ランチメニューは魚か肉をチョイスする¥5000コース、もしくはアラカルト。アラカルトで気になったえいひれの料理も短角牛ステーキも既に終わってしまっていたため、コースでいただくことに。ただし、本日のコースの肉料理は苦手なエゾシカであったため、肉料理をアラカルトから選んで ↓↓ をいただきました。
ホワイトミモザ 風邪をこじらせている夫を横目に、ひとり喉を潤します。
★赤ピーマンのムースとトマトのクーリ★ ムースというと空気感のあるふわっとしたものをイメージしますが、クリームが強く、味も食感もどっしりしたムースでした。対してトマトのクーリはトマト本来の酸味と味が前面にでていて、鋭角的でした。
★穴子のテリーヌ★ 自家製ピクルスがそえられた、穴子がぎっしりのテリーヌ。調味料は最小限で、穴子の味が深められていました。穴子の骨が残っているのが気になりました。
(私) ★★鱸のかりかりソテー、コリアンダーソース★★ 風味の良いコリアンダーソースとの相性が良かったです。
(夫:アラカルトから) ★和牛のしっぽの赤ワイン煮込み★ 皿に鎮座するエアーズロックのような迫力ある姿の牛テール。しかしナイフを入れるとふわっと崩れ、とろとろのゼラチン質とともに口に溶けるほど。最後は骨だけがきれいに残りました。塩分もワインも気配が薄く、牛テールの存在感が全面にでていました。
★★焼リンゴのタルトとバニラアイス★★ 焼リンゴの酸味と甘み、クリスピーなタルト、これだけは分かりやすく馴染みのある、素直に美味しい一皿でした。
エスプレッソは飲み終わると2杯目を持ってきていただけました。
アラカルトの肉料理は¥5000〜¥7000で大きな金額差はなかったのですが、今回メインを一品変更したら +¥4100 となっており、少し驚きました。これでいうと、ランチコースの鹿料理は¥1500計算ということであり、つまりランチコースはアラカルトの価格からはあり得ないほどお得に設定されているようです。
この日料理以外で、あるいは料理以上に、印象的だったのは、メートルの松下さんのサービスが円熟の域に達しておりエレガントで心地よかったことです。初回訪問でランチ訪問で入り口近くのテーブル、であったにもかかわらず、心地良い時間を過ごさせていただきました。
料理はバター・塩分・酸味、いずれも控えめです。調味料控えめというと、「ヘルシーな」とか「繊細な」とか「素朴な」という形容詞が付きそうですが、そのどれも斉須シェフの料理を表現してはいません。explicite ではなく implicite な料理、表現ではなく内実を磨くことに重きをおいた料理、という意味で、「寡黙な」フレンチという表現をさせていただきました。今の私の嗜好からすると華やかさに欠けましたが、時を経て、自分の嗜好がこれに近づく日が来たら、またぜひ訪れたいお店です。
お昼のコース¥5000×2、(アラカルトでは¥5600の)牛テールへの変更¥4100、ホワイトミモザ¥1300、サービス料10%で。
本日のお会計、二人で*******************************************¥18000くらい
1950年、福島県生まれ。1972年六本木「レジャンス」入社後、73年に渡仏。「ヴィヴァロワ」などの三つ星レストランで働いた後、盟友ベルナール・パコー氏とともに「ランブロワジー」を開店。オープンから僅か2年という異例の速さで二つ星を獲得する。1985年に帰国し、翌年に三田「コート・ドール」料理長に就任。1992年より同店のオーナーシェフを務める。著書に『十皿の料理』『調理場という戦場』などがある。
多くの食通が日本一なのではと言うほどの白金にお店を構える絶品フレンチの名店「コート・ドール」。「エイとキャベツ」「オックステールの 赤ワイン煮」などここでしか楽しめない創作料理の数々はまさに舌がとろけるほどの美味しさ。
美味しい週末 その2 お誕生日ディナー @ コート・ドール in 三田
オープン以来、不動のグランドメニューとして君臨しているもう一つのスペシャリテは、濃厚な色のソースをまとった存在感のある牛テール。ひとたびフォークを差し入れれば、その柔らかさに誰もが驚くことだろう。赤ワインだけでまとめたソースが、肉塊の隅々まで浸み込み、存在感のある贅沢な味を約束してくれる。口の中で肉がほろほろと崩れる食感と、斉須氏ならではの深みのあるソースとのハーモニーをぜひ味わってほしい。