黒沢読んでからアジフライ買わなくなった。なんかアジフライ見たら悲しくなってくるから…
弁当を食い終わるとお茶を飲んで、一服する赤松。(ぐっ。なごむな。バカタレ)冷静になれば、弁当でない時すら、泰然自若としていた赤松が、たかがアジ一匹で騒ぐはずもなく、黒沢の期待は虚しく散り、何事もなく昼食は終わる。
赤松はまた他の現場に呼ばれて行く。黒沢は現場を取り仕切ることになるが、他の連中は黒沢を無視する。(俺の周りに薄い膜があるみたな。俺だけがみんなに見えてないような排除。この温かくない空気は何なんだ)そして帰り際にもたもたした黒沢は、現場に置いてきぼりにされる。
いいのか、と聞かれて、ちょっと許せないんだ、という坂口。「あの人、アジを二枚持っていた。つまり、盗ったんだ。赤松さんのアジ」「え」「間違いない。見たから。二枚食っているとこ」「しかし、なぜそんなせこいことを」「俺は許せねえんだ。少し、こらしめないと。なに、泊まる気になれば宿舎もあるし、30分も歩けば、交通量のある道に出る。なんとかなるだろう」
最強伝説黒沢のアジフライみたいで怖かった」という意見もあった。
急に雨が降り始め、黒岩は太郎を宿舎の中に入れる。「寒かろう。夜の雨は寒かろう。まあ、お入り。なに、遠慮はいらねえ。呑もう。アジも、この間のビールも残っている。呑もう」一人でアジフライを食い、ビールを呑む黒沢は、蒲団を敷いて、太郎とともに床につく。「太郎。俺の友達はお前だけだ。友達でいような」「……」「これからも、ずっと」「……」「ちぇ、無口だなあ。おめえ」
そこで、ああと叫ぶ黒沢。(赤松。お前はないはずだ。お前は最後に出てきた弁当。つまり、俺がアジを仕込み忘れた弁当だ。よし、見えて来たぞ、突破口が。お前が言え)「あれ、俺アジないな。おーい、俺のアジ」(と言えば、俺はすっと立ち、お前の弁当に一枚のアジを。どうして、と言われ、いや実は、このアジ、俺がその、と答える。これならいい。美しい日本語の流れ。展開がここにある。となれば、赤松、お前が口火を切れ。こっちはいつでも対応できる)
主人公の黒沢は40代半ばにして、自分にはなにもないことに気付いてしまった独身の現場監督。
なにかと不器用なため、現場の人間はみな自分より若いのに仕事のできる赤松ばかりを重宝する。
勝手に自分側だと思っていた、ズル剥けのゆとり浅井にまで、自分よりゲームを優先されてしまう。
とにかく人望が欲しいと切望する黒沢が、スーパーの惣菜コーナーでを見かけた時に、閃光の如く思いついた作戦である。
翌日―
作業中、黒沢は他人の目を盗んで、現場のカツ弁当にアジフライを一尾ずつつけ足す。
黒沢・アジフライ VS カイジ・焼き鳥 福本作品が1000ペリカで読める
ぐぐぐと呻く黒沢。(汚ねえぞ、赤松。弁当がなければ騒いでくれよ。労働者としておかしいんじゃないのか。めしを食わなきゃ力が出ない。騒ぐが当然だ。俺の態度は正しかったんだ。しかし、今この場の空気は、その正常な俺が小さなことで大騒ぎする小人で、労働者としてあるまじき態度をとったあの男が、まるで英雄。大人物かのよう。わかってくれ、みんな。悪しきは赤松だ。俺は正常だ。俺は決してケツの穴の小さな人間じゃない。みんながアジのことに気がつかないから、ちょっとイライラして)
アジフライ、と聞いて思い出すのは「最強伝説 黒沢」というコミックである。数年前、だんなが通勤タイムに買ったコミック雑誌に載っていたのだ。
数ある福本伸行作品のなかでも根強い人気を誇る『最強伝説 黒沢』 。映像化こそされていないのだが、2003年から3年間ビックコミックオリジナルで連載されていた。
Go to channel · 【最強伝説黒沢】アジフライ作戦に関する雑学
急な形で連載が終了したにも関わらず、読者の熱い支持により2013年に『新黒沢 最強伝説』と名前を変えて復活。現在も作品は続いており、前作を超える既刊数となっている。福本作品では珍しい日常生活モノ(?)であり、お得意のギャンブルネタはまるでナシ。『カイジ』や『アカギ』しか触れたことのない人にとっては、新鮮に思えるだろう。
黒沢 最強伝説>新黒沢』の連載が2013年11号から開始されている。 その他 ..
すっと立ち上がる赤松。「最後に行ったらなかったから、あきらめていたが、もらおうか。あるなら」「はい」平静な顔で弁当をもらう赤松。がっくり膝をつく黒沢。(しまった。なってこった。投網一発。一瞬でもってかれた。人望という名の魚群を。狙ってたのか、奴はこの渾身の一投を。ぐぐ、卑怯者め。水泡だ。俺の積み重ねてきた努力がこれで全て。恐るべし、赤松)
最強伝説黒沢(1) / 福本伸行のレビュー | auブックパス
主人公の黒沢は44歳、穴平建設に勤める独身の平社員。現場監督を任せられているものの人望はあまりなく、名ばかりの責任者だ。昇進も爆発的な稼ぎもなく、ひとり居酒屋でときを過ごす姿は見ていて少し胸が痛い。
黒沢(くろさわ)は、自分の人生があまりにも満ち足りていないことに焦りを覚え、「人望が欲しい・・・! ..
冒頭部分だけを読んでいると、どう考えても女性に好かれるタイプではないはず。不器用な性格ゆえか、さりげない優しさや気遣いというものが分かっていない。それを代表する出来事が序盤の「アジフライ事件」だろう。あの現場にもし女性がいたら、永久追放レベルに違いない。だが彼は決して悪い人間でなく、ちょっと想像力が欠けているだけなのだ。言い方を変えれば天然なタイプとも言える。正直なところ、最初は読んでいて黒沢に苛立つことは多かった。けれど読み進めていくうちに「人望が欲しい」「今の状況を変えたい」と奮闘する彼に、不思議と惹かれてしまう自分がいた。
アジフライ食べると絶対に最強伝説黒沢の話をしてしまうけど通じないと寂しさが押し寄せる.
酒を片手にテレビでワールドカップを観戦していた黒沢は思った・・。
「どんなに熱狂しても、あれは他人事・・・他人の祭りじゃないか・・・
オレの、オレによる、オレだけの感動が欲しい・・・」
人情ものっぽい展開ではあるが、ギャグ漫画としても楽しめる。
やることなすこと裏目にでてしまう黒沢に哀愁を感じるときも。
ギャンブル要素のない福本伸行マンガ。
女キャラの画力の問題についてはさておき、幅広い読者層にも読みやすいのではと思った。
【感想】最強伝説黒沢(1)のレビュー一覧 | ソニーの電子書籍ストア
そして自分の弁当がないことに気づき、絶叫する黒沢。「なんだ、こりゃあ」「は」「は、じゃねえよ。ねえんだよ、俺の弁当が」「え。ありませんか」「お前ら、自分だけ食えりゃあ、先輩の弁当なんかゴミくそ。知ったこっちゃねえて話か」「あ、すいません」そして有田は弁当を車の隅から二つ見つける。「ありました、黒沢さん。箱に納まらん奴が、二つよけてあって」「貸せ」弁当をひったくった黒沢は首をひねる。「ん、二つ?」「あの、もしかして、他に誰か弁当いってない人、いませんか」
【最強伝説黒沢】アジフライエピソードがなんかすごいいたたまれない ..
黒沢の剣幕に、部下たちはようやく黒沢の弁当を探しはじめる。
程なくして弁当が二つ見つかる。
なんということはない、黒沢の弁当はケースに入りきらず別によけてあったのだ。
ぶん取るように受け取る黒沢。
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不良たちに喧嘩を売られ、コテンパンにされてしまう黒沢。本来なら警察に駆け込めばいいのに……と誰もが思うが、あえて決闘をすると言い出す始末。後輩らも「ハァ!?」と驚くが、その後の黒沢のセリフはジーンくるものがある。
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「みんなそれぞれ理想の男像、人間像ってのがあって……そういうものを目指すから人間だっ……!」(『最強伝説 黒沢』より)
[漫画]最強伝説 黒沢〜The Legend of A strongest Man
タイミングを見計らって黒沢は皆の前に現れるが、みな無心で弁当を食う。(気がつかねえのか、この袋に。いや、っていうか、そういう問題ですら、そもそもなく、ハナから気づいてねえんじゃないのか。このアジの異変に。誰ひとり気づかないなんて、バカか、こいつら。かつ丼にアジだぞ。そんなことありえたか。振り返ってくれよ、お前らのこれまでの弁当ライフ)