ミノキシジルをやめるとどうなる?やめてよかったと言う人の理由...
いずれの論文でもミノキシジル外用薬がAGA治療において頭頂部に優位な発毛効果があることを結論付けていますが、副作用についても記載しますのでしっかりと目を通してください。
次にミノキシジルの服用を継続している場合、ミノキシジルが慢性的に心臓に及ぼす影響について。
1950年代に米国アップジョン社はジアリルメラミンの降圧作用を見出し,その類似構造物のなかからさらに優れた降圧効果を有するミノキシジルを選択し,降圧剤としての開発を進めた.1979年にミノキシジルは米国で経口降圧剤として承認され,現在でも薬剤抵抗性の重症高血圧患者に最終選択薬として使われている.
一方で,その副作用としての多毛症が頻発し,男女の脱毛症の治療として適応外で使用されるようになった.そこでアップジョン社はミノキシジルの外用剤としての開発を行い,1988年に男性型脱毛症(androgenetic alopecia;AGA)の治療薬としてFDAに承認され発売した.日本では数年遅れて臨床開発試験1)が開始され,1999年に1%濃度のミノキシジル外用剤が発毛薬として一般用医薬品の承認を得て,医療の現場での使用経験のないまま,いわゆるダイレクトOTC薬として異例の発売がなされ,商品名リアップとして汎用されてきた.その後,5%濃度のミノキシジル外用剤が承認され,さらには女性用の1%ミノキシジル外用剤も販売されている.
日本での発売開始以来20年近く,後発品の登場はみられなかったが,2018年から数社により5%ミノキシジル外用剤がAGAを対象疾患として発売される予定である.ミノキシジルに対する注目度が再度高まり,市場の活性化をもたらし,AGA治療の新たな時代に突入することも考えられる.
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ミノキシジル外用薬(通称発毛剤と呼ぶ塗り薬)の頭頂部(O字)への効果は国内外で広く検証され、多くの論文が発表されています。
ミノキシジル5%外用薬を使用した群は、プラセボ群と比べて頭皮刺激などの副作用の発生率が1.3倍高く、主な副作用は、頭皮刺激、かゆみ、発疹です。
ミノキシジルメソセラピーは頭皮内に直接高濃度のミノキシジルを注入するので、高い有効率が期待できる治療方法です。連日服用するミノキシジルを2.5mgに抑え、ミノキシジルメソセラピー(治療初期は月2回、その後数ヶ月は月1回。その後は数ヶ月に1回の頻度で施術)を併用した場合では、1日5mgを連日服用している場合と比較して、年間のミノキシジル摂取総量を格段に抑える事ができます。
高血圧があるとそれだけで心臓肥大の原因になりますが、カルシウム拮抗薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬などの降圧治療では血圧が下がるとともに心肥大の改善が期待できます。しかし、ミノキシジルの場合は血圧がさがっても心肥大の改善は期待できないようです。
5%と2%のミノキシジル外用薬の副作用発生率に大きな差はありません。
これは動物実験によって解明されています。体重1kg当たりに0.5mgまたは1mgまたは3mgのミノキシジルをそれぞれビーグル犬に2日連日投与した結果、いずれも心筋梗塞に陥っています。ミノキシジルは血管拡張作用が強力なため、心筋内の血管が過剰に拡張し、結果、血管壁が過剰に引き延ばされて出血を引き起こし心筋梗塞に至ったという事が分かっています。普通の動脈硬化による心筋梗塞とは発症メカニズムが異なるのです。
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ミノキシジル5%泡沫フォーム製剤を使用した群は、プラセボ群に比べて頭皮刺激などの副作用の発生率が1.2倍高いことがわかり、主な副作用として、頭皮刺激が、かゆみが、発疹がと報告されています。
エムポックスに備えよう! 今わかっている疫学・病態・予防策
ミノキシジル5mgを服用させておけば、あとはフィナステリド内服などを併用するだけで大半のAGAが軽快するので、治療する側にとっては非常に楽なのです。多少の浮腫があってもAGA改善の方を優先している可能性もあります(またはその浮腫に気づいていない可能性もあります)。そして、長期間服用した際の心臓肥大などの副作用について懸念するクリニックは少ないと思います。ミノキシジルは2.5mg/日では浮腫の出現率が顕著に減少し、かつある程度の発毛効果が期待できます(2.5mg/日で改善した報告もあります)。ただ効果は5mgより当然落ちるはずですから、その落ちた分をミノキシジルメソセラピー(あくまでも適量なもの)で補うのです。
後編 エムポックスに備えよう! 今わかっている疫学・病態・予防策
正常血圧モデルの動物を使った研究では、ミノキシジル自体に心臓肥大を誘発する作用がある事がわかりました。
メカニズムは完全に解明はされていませんが、心筋内の血管拡張が誘因になっている可能性も示唆されます。
AGA治療においてミノキシジル5mgを内服すると5~10%に足のむくみや心電図変化が見られますが、これらも皮膚や心筋内の血管拡張が原因である可能性が考えられます。
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この論文では、犬と猫におけるミノキシジルへの曝露と中毒の疫学を明らかにするために、米国の動物虐待防止協会の動物毒物管理センターにおけるデータベースに登録されているミノキシジル外用薬に暴露した犬と猫211症例を調べました。臨床的に中毒症状を呈した87例(猫62例、犬25例)については、病歴を詳細に検討しています。猫の場合、最も一般的な暴露状況としては、飼い主が自分の脱毛のためにミノキシジルを塗布している間の、意図しない摂取(例:ペットが飼い主の皮膚や枕カバーを舐めた、薬をこぼしたときにペットが飛び散った)が、最も一般的な暴露状況でした。犬では、探索行動(例:ゴミ箱の中を探す)による暴露状況が最も多く認められました。臨床症状を呈した症例では、ほとんどが中等度または重度の疾患を発症し犬56.0%、猫59.7%)、猫の場合、飼い主がミノキシジルを使用した後に臨床症状を呈した62例中8例(12.9%)が死亡しています。因果関係については、検討の余地はありますが、ペットの飼い主は、ミノキシジルの偶発的な暴露による犬や猫の中毒のリスクについて知っておく必要があります。
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○Round Table Discussion 座談会
○Feature Articles 特集論文
○Tell me, maestro マエストロに聞く
ミノキシジル内服薬の安全性、有効性について証明された論文の紹介
この事からも普段服用するミノキシジル使用量はなるべく抑えるべきで、その分、弱くなった発毛効果は他の治療(ミノキシジルメソセラピーなど)で補う工夫が必要なのではないかと考えます。
ミノキシジル内服薬の安全性、有効性について証明された論文の紹介 · ①AGA
もう1例、これはニューヨークにあるメディカルセンターからの報告で、「Myocardial Infarction After Accidental Minoxidil Poisoning」というタイトルしか分かりませんので詳細は不明ですが、過剰のミノキシジルを摂取してしまった結果、心筋梗塞に陥ったという事です。
[PDF] 起原又は発見の経緯 – (1) ミノキシジル及びリアップについて
ミノキシジル2%外用薬を使用した群では、プラセボ群と比べて頭皮刺激などの副作用の発生率が1.1倍高かく、主な副作用として、頭皮刺激が、かゆみが、発疹がとなっています。
ミノキシジルは,当初, 米国アップジョン社 (現Johnson & Johnson 社)により経口の高
以前に当院ブログでも報告しましたが、現在日本ではミノキシジル内服治療は5mgが通説となっています。ミノキシジル1日5mg内服を併用したAGA治療の臨床研究では、5~10%に浮腫や心電図異常が見られますが(理由はミノキシジルの強い血管拡張作用によるものと考えられます)、にも関わらず、1年間投与した結論は「満足度の高い発毛が期待でき、かつ安全に遂行する事ができた」と結論付ける論文が多いのです。しかし、1年間ではなくもっと長期間のミノキシジル内服による影響の可能性について言及している論文はありません。
・本品目は、ミノキシジル5%を含有するリアップの高用量製剤である。リアップ(ミノキシジ
このミノキシジルという成分が、
犬猫に非常に危険であるという論文が発表されています。
Feature Articles 特集論文 4 ミノキシジル外用剤
ミノキシジルは、CM等で宣伝されている育毛剤の主要成分です。この研究は、データベースに登録されている過去の症例報告に基づき、疾患の要因と発症の関連を調べた後ろ向き研究(retrospective study)であるため、エビデンスレベルは高くありません。本当の意味で犬・猫におけるミノキシジルの毒性を調べるためには、実験的に犬猫にミノキシジルを摂取させる(動物実験)、あるいは育毛剤を使用している飼い主と、使用していない飼い主に飼育されている犬猫の中毒症状の発症率を調べる、前向き研究(prospective study)が必要です。しかしながら、ミノキシジルの毒性については、種差(人間には安全な濃度でも、犬猫には危険)があり、犬猫は少量摂取するだけで臨床症状を呈する可能性があるので、育毛剤の保管や廃棄には十分注意が必要でしょう。また、ミノキシジルは重度の中毒を起こす危険性があるため、犬や猫の脱毛症の治療には使用しない方が良さそうです。